ヒマラヤの気候にも耐えた80年前の登山装備とは?
インドとネパールの間に位置し、エベレストなど名だたる8000m峰を抱える”ヒマラヤ”。当時の立教大学山岳部の遠征隊が日本人として初めてヒマラヤの山に登頂したのが1936年。今から80年以上も前のことです。
日本人が初めて登頂したヒマラヤの山はインド北部に位置する聖峰「ナンダ・コート」(6867m)。この日本の登山史に残る偉業を支えた装備の数々が、なんと昨年11月に同行した竹節記者の生家で発見されました。
竹節記者は1936年のナンダコートのほか、1952年から1954年の第一・二次マナスル登山隊にも参加した登山家。当時として最新の技術を盛り込み、ヒマラヤの厳しい気候にも耐えた装備は、いったいどんなものだったのでしょうか。今回特別にナンダコートとマナスル遠征時の装備を見て、触った感想をどこよりも早く編集部がお届けします!
①雨や雪にも屈しない丈夫な「レインウェア」
登山の「三種の神器」のひとつにも数えられるレインウェアは、ポンチョタイプ。標高が上がるにつれて雨だけでなく雪の可能性もあったためか、非常に丈夫なナイロン生地を採用。ウエスト部分を調節できる紐を採用しており、強い風に吹かれてもしっかり体を守ってくれるように作られています。登頂時の写真では着用していないようなので、やや標高の低いところで使用していたのかもしれませんね。
首元までしっかり留められ、防水性も期待できそうですが、当時はまだゴアテックスなどの防水・透湿性を両立するような素材がない時代。試着して数分でポンチョの中が蒸し暑くなってきました。
しかし、80年以上たった今でも使えそうな生地の耐久性には驚き。裏地には「TOYO NYLON」のタグがありましたが、編集部で調べたところ、残念ながら現存する会社かどうかは判別ができませんでした。