植村直己|世界中を冒険し続けた、日本が誇る登山家の物語とは?

植村直己さんを特集します。数々の偉業を記念して設けた植村直己冒険館、映画やまだマッキンリーに眠る遺体についてなど。現代とは比べ物にならない性能の装備で、世界中を冒険し続けた植村さん。彼の生き様に触れると、学べることがたくさんある!


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植村直己さんの功績を記念した2つの冒険館

日本を代表する世界的冒険家・登山家の植村直己さん。彼の偉大な功績や、本人の人間性を知ることができる2つの場所についてご紹介します。

植村直己さんの記念館
出典:Amazon
世界初の五大陸(マッキンリー・アコンカグア・エベレスト・キリマンジャロ・モンブラン)登頂者で、日本が世界に誇る著名な登山家・冒険家の植村直己さん。少なくとも今から30年以上も前の装備と現在の装備では大きく性能の差があり、そんな中で数々の偉業を打ち立てたことを考えるとまさに日本を代表する登山家です。そんな植村さんを顕彰する施設として、「植村直己冒険館」と「植村直己記念館」があります。

故郷・兵庫県豊岡にある植村直己冒険館

植村直己冒険館 住所:〒669-5346 兵庫県豊岡市日高町伊府785
TEL:0796-44-1515
開館時間:AM9:00~PM5:00(入館はPM4:30まで)
休館日:水曜日(ただし祝日の場合は開館、翌日が閉館)年末年始(12/28~1/4)
入館料:大人/500円
高校生/200円
小/中学生:150円
※20名以上の団体は各料金から50円引き
エベレスト登頂時などで実際に使用した装備約200点を展示。様々な企画展や犬ぞり疑似体験などもできます。

豊岡市主催で毎年選出される植村直己冒険賞

植村直己さんの優れた人となりを後世に伝えるという目的で賞が設けられています。自然に対して勇気ある想像的な冒険をした人・団体が対象で、毎年1月~12月の活動を基に選出されます。2016年度は植村さんの母校明治大学にて受賞発表が行われ、優れた登山家に送られるフランスのピオレドール賞を日本人で初めて受賞した平出和也さんが選ばれました。

東京板橋区にある植村冒険館

植村冒険館
撮影:YAMA HACK編集部
住所:〒174-0046 東京都板橋区蓮根二丁目21-5
最寄り駅:都営三田線「蓮根」駅
TEL:03-3969-7421
開館時間:AM10:00~PM6:00(入館はPM5:30まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌日が閉館)年末年始(12/29~1/4)
入館料:無料
企画展示、自然塾などが行われおり、1Fには登山・探検・冒険に関する図書館があります。蔵書は5000冊にものぼり、雑誌のバックナンバーも充実しています。

植村冒険館
撮影:YAMA HACK編集部(植村冒険館)
毎年2月には、最後の冒険となってしまったマッキンリー厳冬季単独登頂への挑戦を紹介するメモリアル展『山頂に残された旗』が開催されています。メモリアル展の期間(平成30年2月1日〜4月10日)は、山中で発見された装備と日記、そして山頂に残されていた日章旗を見ることができるので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。
板橋区の乗蓮寺にある植村直己さんの墓 植村直己さんがエベレスト遠征前に暮らしていたのが板橋区。その板橋区内の乗蓮寺にお墓があります。

植村直己さんの遺体があるマッキンリーの謎

植村冒険館のパンフレット
撮影:YAMA HACK編集部(植村直己冒険館・植村冒険館パンフレット)
植村直己さんは数え切れない功績を残してきましたが、簡単に挙げるだけでも
・日本人初のエベレスト登頂(1970年)
・世界初の五大陸登頂者(1970年)
・犬ぞりで世界初単独行の北極点到達(1978年)
などがあります。「日本人初」「世界初」を数多く成し遂げた植村さんの、最大の功績の1つが1984年の世界初マッキンリー冬期単独登頂。しかしこれ以降、植村さんの姿を見ることはなくなってしまいました。このマッキンリーで消息を絶ってしまったのです。

植村直己さんの最後の行動

植村直己さんの最後の行動とは? 1984年2月12日
マッキンリー厳冬期単独登頂に成功
1984年2月13日
この日テレビ取材班との交信を最後に消息を絶つ
1984年2月16日
飛行機のパイロットがウエスト・バットレス(現在最も一般的なルート)4900m地点の雪洞から手を降る植村さんを目撃する
この数日後、捜索隊が5200m地点の雪洞で多くの装備品を発見。さらに5月になり頂上で植村さんが立てた日章旗が発見されました。

遭難、そして発見されていない遺体

メモリアル展ポスター
撮影:YAMA HACK編集部(メモリアル展ポスター)
5200m地点で最低限の装備を厳選しアタックしたとすれば、その装備がそのまま残っているということは下山時ここにたどり着かなかったとも考えられます。ではさらに標高の低い4900m地点でパイロットが見たものは何だったのか?という謎も残り、「パイロットが誤認をした」という説もあります。しかし、4900mの雪洞には少々の行動食やガソリンが残されていたことから、ここに植村さんがいたということも伺えます。いずれにせよ、遺体は未だ発見はされておらず、真相は藪の中です。享年43歳でした。

植村直己をモデルにした映画「植村直己物語」

植村直己さんをモデルにした映画
出典:Amazon
1984年に公開された映画「植村直己物語」。監督は佐藤純弥、主演は西田敏行。植村直己さんの半生を描いた伝記映画で、結婚から数々の冒険、そして最後となったマッキンリー挑戦に至るまでが描かれています。極寒のロケ地だったため当時の優れた登山家が召集され、また主演の西田敏行さんも頬に凍傷を作りながら役作りに臨んだだけあり、迫力満点です!

ITEM
植村直己物語 (DVD)
時間:140分
配給:アミューズソフトエンタテインメント株式会社

“冒険とは生きて帰ってくること”
公子役の倍賞千恵子さんが言ったセリフを思い出します。
ヴァンゲリスの音楽を聴くと【南極物語】を思い出すように、
マイケル・ヘッジスのハープギターを聴くとこの映画を思い出します。
公開当初、LDでも発売されていましたが、ようやく待望のDVD化です。
音楽はウィンダム・ヒル。
この発売を機に、サントラの再発もお願いしたいところです。


植村直己モデルの腕時計があった!

セイコーセカンドダイバー植村直己モデル 植村さんが数々の山行で使用していたのがセイコーの150mセカンドダイバーズウォッチ。極寒の地でも使用できるタフさが認められ、今でもアンティーク時計の中で人気を誇ります。現在はほとんど見かけることがなく入手は極めて困難。アンティークの腕時計を取り扱う店舗でもしかしたら出会えるチャンスがあるかもしれません。

植村直己の本おすすめ5つと名言

植村直己さんの本 植村直己さんに関する著書も数々出版されています。その中から、人気の書籍を紹介!さらに、植村さんが生前残した多くの名言の中から、心に響くことばをご紹介します。

植村直己 妻への手紙

五大陸最高峰登頂、北極圏単独犬ぞり走破1万2千キロ等、極限の地を行く植村直己が生涯を誓い合った愛する人に旅先から書き送った手紙の数々を収録。愛情溢れる言葉の数々から植村直己の内面が垣間見え、その人柄を感じられる一冊です。

ITEM
植村直己 妻への手紙
出版社:文藝春秋
出版年:2002/10/20

この本は、私が初めてふれた植村直己作品です。
世界的な冒険家として名を馳せている植村さんが、各地から奥様に送られたお手紙をまとめた本です。
過酷な冒険を成すその裏側で、奥様だけに見せる人間らしい弱さ、そして強さに裏づけされた優しさが、随所に滲んでいます。
その純粋で素直なお手紙の内容は、読んでいて、時に微笑みをさそいます。そして最後には、女性としてこのように愛された奥様は、やはりお幸せであったのではないかと思いました。
数々の植村作品を読まれている方にも、ほかの著書ではみられない氏の一面にふれられる素敵な一冊だと思います。


青春を山に賭けて

植村直己のそのケタはずれな冒険はどうやって実現し、五大陸最高峰登頂達成といったような大きな結果を残すことができたのか。植村直己本人が命がけの登山やその過程での出来事、人間模様、自身の生き方について等を語る一冊。植村直己の生き様に胸を打たれます。

ITEM
青春を山に賭けて
出版社:文藝春秋
出版年:2008/7/10

(前略)
中でもアルプス麓のスキー場で、言葉は拙くとも、スキーは滑れなくとも、懸命に、他のどのスタッフよりも汗を流して働き、やがて現地の人々の共感を得、本当の仲間として迎えられてゆくくだりは、まさに本書のハイライトであり、こういった不器用で、謙虚で、ひたむきな姿こそが永遠に色褪せない著者の魅力の所以であろうと思う。どんな困難にも、常に裸で立ち向かう彼の姿を思うとき、勝ち負けといった結果ではなく、そこに行くまでの過程こそが大切であるとした生前の著者の言葉が胸を打つ。


植村直己・夢の軌跡

マッキンリーで消息を絶って30年という節目に改めて綴られた、植村直己という人物を知ることのできる一冊。時系列ではなく、植村直己を表すキーワードという切り口で人物像に迫っています。植村直己が生きた時代に彼に憧れた人も彼を知らない世代も引き込まれる「植村直己」決定版。

ITEM
植村直己・夢の軌跡
出版社:文藝春秋
出版年:2014/1/28

(前略)著者は植村が足かけ5年に及ぶ世界放浪から帰国した1968年から1984年に消息不明となるまで親交を持った編集者であり、良き理解者であったと思われます。直接彼を知る人物が少なくなってきた今、おそらくは最後となるであろう植村評であり、植村自身の著作では語られなかった実際や推察される心情等、長い時間を経たからこその説得力を感じます。本書ではマッキンリーに向かう前後の植村について少なくない頁が割かれており、43歳の植村が何に拘り、何に焦っていたのか改めて考える機会となりました。(中略)強さと弱さを併せ持ち、生真面目で一途であった冒険家植村直己を身近な人間として感じることができました。


エベレストを越えて

1969年の日本山岳会のエベレスト挑戦から1971年国際エベレスト登山隊、1980年からの日本エベレスト冬季登山隊と、3度にもおよぶエベレスト登山に焦点を絞り、その軌跡について植村直己自身が語る一冊。植村直己の冒険の「過程」を追体験することができます。

ITEM
エベレストを越えて
出版社:文藝春秋
出版年:1984/12/25

読み物としては、読みづらさもあるものの、やはり内容が濃い。
登山家としての植村さんが辿ってきた実際の道と精神的な道が書かれています。
個人的には、その時何を考えたか、というのが書かれている部分が好きですが、単純に登山の本としても山の辛さだとか冷たさを感じることができるし、極限における人間同士の付き合いにも考えさせられるヒューマン小説としても読むことができる。
人生においては読んでおいて損のない名著。


NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2015年4月号

ナショナルジオグラフィック日本版が20周年企画として「日本のエクスプローラー」をテーマに特集記事を掲載。特集の中の1テーマとして、冒険家・植村直己の北極点単独行について取材したナショジオ写真家が彼と共に過ごした日々を語っています。

ITEM
NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2015年4月号
出版社:日経ナショナルジオグラフィック社
出版年:2015/3/30

美しくすばらしい写真が満載です。付録の古地図もよかったです!


植村直己さんが残した数々の名言たち

君たちに僕の考えを話そう。 僕らが子どものときに、目に映る世界は新鮮で、 すべてが新しかった。 やりたいことはなんでもできた。 そうだ。 医者になりたいと思えば、医者になれたし、 登山家になりたければ登山家になれた。 船乗りにだってなれた。 なんにでもなれることができるんだ。 ところが、年をとってくると疲れてくる。 人々はあきらめ、みんな落ち着いてしまう。 世界を美しさを見ようとしなくなってしまう。 大部分の人たちが夢を失っていくんだよ。 僕はいつまでも子ども心を失わずに、 この世を生きようとしてきた。 不思議なもの、すべての美しいものを見るために。 子どもの純粋な魂を持ち続けることが大切なんだ。 いいかい、君たちはやろうと思えばなんでも出来るんだ。 僕と別れたあとも、そのことを思い出してほしい。

引用:「マッキンリーに死す 〜植村直己の栄光と修羅〜 」 長尾 三郎 著、講談社文庫、p283-284

植村直己さんも指導をしていた、冒険教育プログラムを開設しているアウトワード・バウンド・スクールのアメリカ、ミネソタ校にて、生徒たちに話したとされる言葉です。日々の生活に追われて色んなことをあきらめてやいないかと、ハッとさせられますね。

世界的な冒険者・植村直己さん

植村直己さん
撮影:YAMA HACK編集部(植村冒険館にて購入できるメモリアルポストカード)
植村直己さんについて知れば知るほど、その人間味溢れる人柄に惹きつけられませんか?ポジティブでバイタリティに溢れ、ストイックさや謙虚さも持ち合わせている。単独行を好む反面、出会う人たちとは打ち解け、その人柄に多くの人が惹きつけられる。山に登る前に、そんな偉大な冒険家・「植村直己」を深く知ることで、登山に対してまた新たな視点を持つことができるかもしれませんね!

Uemura Naomi, an unforgettable great explorer !!
記憶に残る偉大な冒険家、植村直己 !!

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      milkywaygalaxy

      バックパックを背負って向かった旅先で経験した、登山やツーリング、ダイビングなどのアウトドアに魅せられ早数年。次はどこで何をしようか、考えるだけでわくわくしてきます!そんなアウトドアの魅力を言葉で伝えたいと思います。

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