山で見かけたら危ない!危険生物のフィールドサインと対策Q&A

登山中、動物のフンや、生き物の巣など見かけたことはありませんか?そのサイン、実は出会うと怖い生き物かも?!今回は、うみ先生に山で見かけることのある危険生物と、見つけたらちょっと嬉しい動物たちのフィールドサインをクイズ形式で教えてもらいました!しっかり覚えて登山をもっと楽しもう!


うみ先生教えて!山で遭う危険生物って事前にわからないの?

099f7c3dfdbdd5f2417227917dbc580c (1)撮影:セルズ環境教育デザイン研究所
西海太介(通称うみ先生)。高尾山ビジターセンターの自然解説員、横須賀市内の公園所長などを経て、より多くの方に生き物の面白さや、危険などを伝えるべく独立。今回は、登山中に見かけることがある、危険生物のフィールドサインをQ&A形式でご紹介!しっかり覚えて安全に登山を楽しみましょう。

そもそもフィールドサインって何?

1シカのフン
フィールドサインとは、さまざまな動物たちが自然の中に残した痕跡のことを言います。痕跡の種類は、足跡やフン、食べ跡などさまざまで、これらをヒントに動物たちの生活や行動を推理することができるのです。その作業は、まるで探偵のよう!

動物ごとのサインを覚えておけば、予め危険を回避することにも繋がる

フィールドサイン1
残された痕跡から、どんな生き物がそこにいたのか、あなたも推理してみましょう。今日は、「出会うとちょっと怖い危険生物」と「見つけたらうれしい」フィールドサインをいくつか紹介します。

危険生物フィールドサインQ&A

①山だけでなく、住宅街の桜の木などについてるコレ。一体なんの生き物?
イラガ繭1
正解:イラガの繭の跡です。イラガはガの仲間で、その毛虫は別名「電気虫」とも呼ばれています。「刺されるとまるで全身に電気が走ったような痛みに襲われる」ということから、そのように呼ばれます。刺されると激痛…!みなさん、木に触るときなどはイラガがいないかどうか、気をつけてください。

②山でも街でも見る足跡。何の動物?
ハクビシン足跡
出典:有限会社関東消毒
正解:ハクビシンの足跡です。ハクビシンは漢字で書くと「白鼻芯(心)」。その名の通り、鼻筋に通った白い線が特徴です。外来種とされており、農業害獣ともされますが、いろいろな病気をもっているということで、危険生物ともいわれる一面をもっています。

③これは町中にはないですね。山にある足跡ですが何の動物?
出典:福岡市動物園
正解:これはイノシシの足跡です。大型ほ乳類であるイノシシも、出会うと怖い存在ですね。ほとんどの場合、向こうから逃げていくことの方が多いですが、こんな足跡のほか、登山道脇の法面が掘り返されていたりすると、それはエサを探した跡。イノシシの活動エリアの中にいることになります。



④私たちの足跡に似ている?見たことがある方も多いあの動物。一体何?
ニホンザルの足跡
出典:石川県
正解:これはニホンザルの足跡です。東京の多摩地域などでも、日中に活動していて時折みかけることがあります。イノシシなどよりも遭遇しやすい生き物ではないでしょうか。見つけると嬉しくなることもありますが、喧嘩になるとかなわないので、目を合わせないようにするなど刺激しないように心掛けてください。

⑤最近、相模原や丹沢でも発見された大型哺乳類。何の動物?
ツキノワグマ足跡
出典:藤里町
正解:これがツキノワグマの足跡です。やはり野生生物からヒトに近づいてくることは少ないですが、森の中の餌が不足していたり、餌付けにつながるような行為、人里と森の間の緩衝地帯となる部分がなくなるなどすると、トラブルを起こすことがあります。登山においてのクマ対策としては、ヒトがたくさんいるように見せるため、ラジオが効果的とも言われています。

⑥直接的ではないですが、この生き物がいるとクマが近くにいる可能性があります。何の生き物?
キバネクロバエ
出典:motos
正解:これはキバネクロバエというハエの仲間です。このハエの幼虫は、なんとクマ類のフンを食べて育つという性質があります。つまり、もしこのハエを見つけたら、近くにクマ類の新しいフンがある可能性があるということです。もちろん100%危険であるとは限りませんが、一つの指標として役に立てることができるハエの仲間です。覚えておいて損はないでしょう。

番外編:”見つけたら嬉しい” 3つのフィールドサイン

①主にリスなどが残す、この噛みあと。なんて呼ばれてる?
エビフライ
出典:GAZOO
正解:通称「エビフライ」と言われています。リスなどのげっ歯類の生き物たちが松ぼっくりを食べると、このようなエビフライ型の食べ跡ができます。山に行くと結構落ちていることが多いので、ぜひ探してみてください。



②たまに地面に落ちていることもあるこの巣。何の巣?
1メジロの素
出典:山尾獣医科病院
正解:メジロの巣です。冬場に落葉した木の枝先を見上げていると、たまに見つけることができますが、それ以外の時期でも、使用後の巣が地面に落ちていることがあります。シュロの繊維や、コケ、時にはスズランテープのようなものもうまく利用して作られているお碗型の巣です。

③両側に穴が開いたクルミ。いったい誰が食べた跡?
クルミ
出典:美幌博物館
正解:足元をみていると、オニグルミなどのクルミの実の両側に穴が開いたものが落ちていることがあります。これは、アカネズミというネズミが食べた跡です。割るわけではなく、両側に穴をあけ、そこから中身を食べているのですね。ちなみにリスが食べると、真っ二つに割れた食べ跡になります。

うみ先生の独り言~フィールドサインは、まるで探偵!とっても面白い!~

c1574b0fa5c140cc4d08672d69dac08b撮影:セルズ環境教育デザイン研究所
シカのフンと、泥浴びや休憩したスポットを、獣道や足跡のヒントから追って探し出してみました。そんなフィールドサインを追う紹介動画です。
自然の中で推理して動物の行動エリアを探索すると、その動物の生活がみえてきて、山の自然をより体感できます。皆さんもぜひ、動物たちのフィールドサインから、その暮らしをいろいろ想像してみてくださいね。

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西海太介
西海太介

・玉川大学卒 ・元 東京都高尾ビジターセンター 自然解説員 ・元 横須賀市くりはま花の国 副所長 ・元 横須賀市ペリー公園所長 2009年から自然ガイドとして携わり、述べ30,000人以上に対し、自然解説を行ってきた。そんななか、過去に不注意により発生したハチ刺傷事故を受けて、ハチ・ヘビ対策を強化・研究。 同時に、都市公園の所長・副所長を務める中、野外指導者側の自然生物に対する”誤解のない知識・理解”の必要性を痛感し、現在はフィールドワーカーや学校の先生のための「”ハチ””ヘビ”危険生物対策講座」のほか、児童向けの専門的な「生物学習教室」なども開講、指導。『知的な自然教育プロの養成専門所』として、当所を運営する。

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