ビバークの方法|いざという時のために知っておこう!

ビバークとは、緊急事態の野宿のことです。登山中、下山に時間がかかり日が暮れてしまった時などは、簡易テントのツェルトを使ってビバークします。むやみに動き回ると遭難する可能性もあるので、いざという時のためにビバークの仕方を知っておきましょう。


アイキャッチ画像出典:ウィキメディア・コモンズ

ビバークとは?

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ビバークとは、日本語で言うと”不時露営”という意味です。あまりピンとこないかもしれませんが、簡単に言うと”緊急事態の野宿”ということになります。あらかじめ予定してビバークをする場合もありますが、今回は緊急事態のビバークの仕方と必要な装備をご紹介します。


ビバークをする状況とは?

ビバーク地
出典:pixabay

登山やハイキング、クライミングなどで、時間がかかり日が暮れてしまった・・・というようなシチュエーションの時に、ビバークをします。そのほか、急な体調不良によって動けなくなってしまった・・・天候が急変した・・・メンバーが疲労のため動けなくなった・・・など、ビバークのケースは様々ですが、どれも山岳遭難の一歩手前の状況です。

そんな時に、助かるのがツェルトです。
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ツェルトとは、”簡易テント”という意味です。タープのようなナイロン製の布で、そのままかぶったり張ったりします。つねに持ち歩くことが理想ですが、忘れがちの登山者も多いです。しかし、ツェルトがあるとないとでは、生きるか死ぬかくらいの差が出てくるのでぜひ持参しましょう。
積雪期のビバークでは雪洞を掘るという方法もあります。その際もツェルトがあると便利です。

では、緊急事態の野宿”ビバーク”のしかたについて、ツェルトを使いながら学んでいきましょう。

ビバークをする場所のポイント

ビバークは、暗くなる前に決断して、よりよいビバーク地を選ぶことが大切です。ビバークに適した場所とそうでない場所があるので見ていきましょう。
【こんなビバーク地は適している】
◆樹林帯
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風や雨がしのげ、水はけがよく、木を利用してツェルトを張れるところは適しています。落ち葉を集めて敷き詰めると、地面からの冷気を防げます。

◆岩陰
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落石の危険がなさそうで、風がしのげる所。もし稜線上でビバークをする事になってしまったら、岩と岩の隙間や、石でブロックを作り風よけをつくるのも有効的です。
◆草地と草地の間
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出典:ヤマレコ
風がよけられて、水がたまらない草地と草地の間はビバーク地として適しています。

【こんなビバーク地は危険】
・山頂や稜線上・・・風が強いうえに天候が悪化(雨や雷など)したら直撃する。
・川の流れのすぐそば・・・増水の危険があり、流されてしまう。
・崖地・・・落石の可能性がある。
・草原、湿地・・・さえぎるものがない草原は、落雷の可能性がある。湿地帯では湿ってきてしまう。

ツェルトを使ったビバークの仕方①

立ち木利用

出典:ARAI TENT
ベンチレーターなどに細引きを通して立ち木などに張ります。地面には、落ち葉やシートなどを敷き詰めると快適になります。

ツェルトを使ったビバークの仕方②

2済み出典:ARAI TENT
shel1_14済み出典:ARAI TENT
ツェルトをかぶったり、くるまって使用することもできます。ベンチレーションからは、顔を出すこともできるのでポンチョかわりに利用することもできます。

ザックに足を入れたり、ザックを下に敷いたりして寒さを防ぎます。傘を持っていれば、中で広げることよってツェルト内の空間を確保することができます。

ツェルトを使ったビバークの仕方③

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枝やストックをポール代わりに使ってツェルトを張ります。

ツェルトを使ったビバークの仕方④

5済み出典:ARAI TENT
人数が多い場合は、横に倒して使うこともできます。


雪洞のビバーク方法①竪穴式

6済み出典:ARAI TENT
雪面を下に堀り、天井にツェルトで覆ってビバークする方法です。ツェルトは四隅を固定しておきます。

雪洞のビバーク方法②横穴式

7済み出典:ARAI TENT
山の斜面を利用しスコップで横穴を掘って雪洞を作り、入口をツェルトで覆いビバークします。竪穴式より横穴式の方が主流です。

【横穴式雪洞の作り方】

1.斜面の選択
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出典:ヤマレコ
ふかふかの雪では掘れないので、しまった雪質で斜面もどちらかというと急な場所を探します。

2.切り出し
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出典:ヤマレコ
斜面を垂直に切って、ブロックのようにして切り出していきます。ブロックは入口付近に積み、風除けに使いましょう。
3.掘り出し
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出典:ヤマレコ
垂直に切ったら、次は横に掘っていきます。

4.整える
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出典:ヤマレコ
雪洞の天井はドーム型にし、凹凸を作らないようにすると、解けた水が滴ってきません。余裕があれば、ろうそくを置く棚を作成しましょう。
5.ツェルトでふさぐ
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出典:ヤマレコ
ツェルトで入口をふさぐと、温かくなります。

※注意:中でガスを使う場合は、酸欠にならないように換気をして下さい。天井が薄いと落ちてきたり、降雪で入口が埋まってきたりするので、手の届く範囲にスコップを置いておきましょう。だいたい一人分を掘るのに30分から1時間ほどかかり、衣類は濡れるのでご注意ください。

ビバークのポイント

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出典:ヤマレコ
まずは、冷静に!焦りや不安、家族に心配をかけてしまった、遭難への恐怖という気持ちから、パニックになることは多いと思います。しかし、取り乱して動き回るのは危険です。限界になる前にビバークの決断と準備をしましょう。長く登山をしていれば、ビバークはあり得る話です。その時のために心の準備をしておくことが大切です。

【緊急セットを持ち歩こう】
ピンチ用品済み出典:ARAI TENT
「エマージェンシーパック」セット内容
・ビバークツェルトスーパーライト 1
・Pezel e+LITE® ケース付 1
・ホイッスル 1
・キャンドル(9時間点灯) 1
・防水マッチ 1
・張綱(5m、自在1個付) 2
・安全ピン 2
・ツェルト
・専用収納袋

”緊急セット”をいつも持ち歩くといいでしょう。日帰り登山などでは、パッキングする度に、ツェルト要るかな?と思う方も多いはず。でも、少しくらい重くなっても安心を買うと思って持ち歩きましょう。ビバークは、寒さと不安との戦いです。防寒着を一枚余分に持つことも大切です。防寒着を着たとしても寒さのためにほとんど眠れない事が多いです。

【枝葉や落ち葉を下にひく】
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地面からの冷えはつらいものです。なるべく冷えないように、枝葉や落ち葉を敷き詰めるといいでしょう。

【暖をとる】
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出典:pixabay
燃料の残量も気になるビバーク。山火事を起こさないように気を付けながら、焚き火をして暖をとるのもひとつ。

ツェルトを持っていなかったら?

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もしもツェルトを持っていなかったら、自然にあるものを利用しましょう。枝や葉を組み立てるだけでも違ってきます。また、岩陰や倒木を見つけられたら、そこでビバークするのもいいでしょう。

不測の事態にそなえて

雪洞のコピー出典:wikipedia

どんなにエキスパートでも、山では不測の事態に遭遇してしまうことがあります。しかし緊急事態になっても、十分な装備と知識があれば乗り越えられる可能性が出てきます。ビバークする時は、山岳遭難の瀬戸際ですが、冷静に希望を捨てずに対処しましょう。

 Know how to bivouac

ビバークの方法を知ろう!

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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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