槍ヶ岳のおすすめ登山コース4選

北アルプスの名峰槍ヶ岳の登山コースを紹介します。さまざまなバリエーションがある槍ヶ岳の登山コースから、YAMA HACKがオススメする4コースを紹介します。各登山口へのアクセスや、山小屋情報はこちら(リンク)の記事をチェックしてください。


アイキャッチ画像出典:PIXTA

槍ヶ岳のコース難易度について

槍ヶ岳山頂に向かう登山者出典:PIXTA
槍ヶ岳の山頂へ至るコースはいずれも長距離な上、切れたった稜線や、足元の悪いガレ場、クサリ場やハシゴなどが各所にあります。それなりの体力と技術が必要とされますが、しっかりと計画を立て、悪天候では無理をせず、体力を充実させて挑めば登頂も夢ではありません。初心者の場合は上級者やガイドなどの引率者がいるとよいでしょう。

初中級者が行ってはいけないルートはココだ!

大キレット出典:PIXTA
槍ヶ岳の南に伸びる稜線の南岳から北穂高岳の間には、大キレットと呼ばれる北アルプス屈指の難路があります。キレットとは切戸に由来する用語で急激に切れ落ちた稜線を言います。初中級者の登山者は、この大キレットに踏み入らないようにしましょう。槍ヶ岳から北穂高岳への縦走は安全面からおすすめできません。

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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地 2017

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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地 2017
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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地 2017
出版社:昭文社
発売日:2017/3/10
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槍沢コース[上高地発]

槍ヶ岳の数多いコースの中で最も一般的なコースが槍沢コースです。上高地から出発し梓川沿いを上流へ、続いて槍沢沿いを進むにつれ斜度が上がり本格的な登りになります。
槍沢ルート出典:ヤマプラ
距離 コースタイム 標高差 日程 難易度
約39km 約17時間40分 約1676m 2泊3日 ★★★★
データ参考:ヤマプラ

1日目 上高地バスターミナル〜槍沢ロッジ

ワサビ沢
上高地から梓川沿いの整備された登山道を上流に進みます。横尾の分岐を右に進路を取り梓川沿いをさらに進みます。

一ノ俣の木道
撮影:YAMA HACK編集部
一ノ俣の木道を渡り槍沢沿いに高度を上げていきます。
沢から離れひと登りすると槍沢ロッジに到着です。1日目はここまで、槍沢ロッジのお風呂で疲れを癒してください。

2日目 槍沢ロッジ〜槍ヶ岳山荘

槍沢ロッジを出発、徐々に木々がまばらになってきます。
大曲雪渓撮影:YAMA HACK編集部
大曲りには雪渓あり。このあたりから登りがきつくなってきます。
その年にもよりますが、夏場でもこれくらい分厚い雪渓が残っています。右脇に小道があるのでそこを通りましょう。

その後天狗原分岐は右に進路を取ります。つづら折りをしばらく登るとグリーンバンドと呼ばれるハイマツ地帯に入り、槍ヶ岳が間近に迫ってきます。
槍沢から見た槍ヶ岳出典:PIXTA
ガレ場・ザレ場のジグザグ道を登り切ったら槍ヶ岳山荘に到着です。
槍ヶ岳の分岐撮影:YAMA HACK編集部
ちなみに、写真「坊主岩屋下」の分岐を右に行くとヒュッテ大槍。(槍ヶ岳山荘はまっすぐ)

2日目 槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳山頂

槍ヶ岳山荘から見る槍ヶ岳出典:PIXTA
槍ヶ岳山荘について宿泊の手続きを終えたら、いよいよ核心部の槍の穂先に挑戦しましょう。荷物は小屋に置いていくこともできます。槍の穂先は往復で1時間程度ですが、登山者が集中する期間はコースが渋滞し3時間以上かかることもあります。
槍ヶ岳のハシゴ出典:PIXTA
連続するクサリやハシゴは三点支持をしっかり行えば大丈夫。慎重に頂上を目指してください。
槍ヶ岳山頂からの景色出典:PIXTA
山頂についたら360°の大パノラマを堪能してください!

3日目 上高地へ下山

槍ヶ岳山荘を出発したら、往路と同じコースで上高地へ下山します。

飛騨沢コース[新穂高温泉発]

新穂高温泉から出発するこのコースは、最短距離で槍ヶ岳の山頂に到着します。その他のコースと比較して登山者が少ないので、静かに深山の雰囲気を堪能したい人にはおすすめです。
新穂高温泉~槍ヶ岳ルート図出典:ヤマプラ
距離 コースタイム 標高差 日程 難易度
約27km 約16時間40分 約2090m 2泊3日 ★★★★
データ参考:ヤマプラ *距離とコースタイムは同じコースを往復した場合

1日目 新穂高温泉〜槍平小屋

新穂高ロープウェイ駅から出発し、未舗装の林道をしばらく進行します。奥穂高岳登山口の分岐が現れたらそのまま直進、白出沢を橋で渡ったら道は登山道になります。
引き続き右俣谷の沢ぞいを上流に進むと、滝谷出合(川が合流する地点)に到着します。写真は滝谷出合にある避難小屋。なんだか不気味な雰囲気…!?
この木道が出てきたら、槍平小屋はもうすぐです。
この日宿泊する槍平小屋に到着です。

2日目 槍平小屋〜槍ヶ岳山荘・山頂

千丈乗越付近から見る槍ヶ岳出典:PIXTA(写真は千丈乗越付近から見る槍ヶ岳)
槍平小屋を出発、しばらく進むと槍ヶ岳方面の最後の水場があります。樹林帯を抜けるとまもなく千丈沢乗越分岐に出ます。このあたりは美しい花畑が広がっています。道は次第にガレ場となりつづら折りをひたすら登ると飛騨乗越に出ます。分岐を左に進み、急斜面を越えれば槍ヶ岳山荘に到着します。*ここから山頂までは槍沢コースの項を参照してください。

3日目 新穂高温泉へ下山

帰路は同じコースで新穂高温泉へ下山します。槍沢コースで上高地へ下山するコース設定も可能です。

表銀座縦走コース[中房温泉発]

長野県の中房温泉から出発して、燕岳、大天井岳を経由し、槍ヶ岳へと至る表銀座縦走は、北アルプスでも指折りの人気コースです。変化に富んだ稜線歩きをたっぷりと堪能することができます。
表銀座コース出典:ヤマプラ
距離 コースタイム 標高差 日程 難易度
約38km 約22時間30分 約1730m 3泊4日 ★★★★
データ参考:ヤマプラ
*距離とコースタイムは、槍沢コースで上高地に下山した場合。

1日目 中房温泉〜燕岳・燕山荘

合戦尾根の鎖場出典:PIXTA(写真は合戦尾根の鎖場)
中房温泉から燕山荘までの合戦尾根ルートは、北アルプス三大急登に数えられていますが、特に危険な箇所はなく体力的にはきついものの安心して登ることができます。途中いくつかあるベンチで休みながら登ると3時間を少し超えるくらいで燕山荘に到着します。
燕山荘直下の階段出典:PIXTA(写真は燕山荘直下の階段)
ここから燕岳までは片道約30分。燕岳の山頂を踏破し燕山荘に到着したら1日目は終了です。

2日目 燕山荘〜大天井ヒュッテ

燕岳の登りから表銀座縦走路出典:PIXTA(燕岳登りから、遠くに見える槍ヶ岳)
2日目燕山荘を出発、槍ヶ岳を遠望しながらハイマツに囲まれた穏やかな稜線を南に進みます。大下りを経過ししばらく進むと大天井岳が見えてきます。このあたりからクサリとハシゴが現れます。小林喜作のレリーフを過ぎると分岐がありますので、これを右の巻き道へ進んでください。大天井岳の中腹をトラバースしながらしばらく進むと大天井ヒュッテに到着です。

2日目 大天井ヒュッテ〜ヒュッテ西岳

ヒュッテ西岳出典:ヤマレコ by BittoR(写真はヒュッテ西岳)
大天井ヒュッテで休憩をしたら、西岳へ向けて歩を進めます。稜線の左側をトラバース気味に進みます。林を抜けるとビックリ平と呼ばれる見晴らしの良い平坦地が現れます。ビックリ平からはなだらかな稜線歩きが続きます。いくつかの小さなピークを超え、赤岩岳の山頂を巻いて進むと2泊目の宿泊地ヒュッテ西岳に到着です。

3日目 ヒュッテ西岳〜槍ヶ岳山頂

写真は東鎌尾根名物(?)3連ハシゴ
3日目、コースはいよいよ東鎌尾根に入ります。ヒュッテ西岳を出発したら水俣乗越まで急な下りとなります。浮石の多い箇所や、高度のあるハシゴ、痩せた稜線歩きがありますので注意しましょう。水俣乗越からは再び登りに転じます。ハシゴが連続し第1、第2、第3展望台というステップ上で高度を上げていきます。第3展望台からさらに上昇するとヒュッテ大槍に到着。ここから頂上直下の槍ヶ岳山荘までは、岩場を40分程度登りますが危険な箇所はありません。*槍ヶ岳山荘から山頂までは槍沢コースの項を参照してください。

4日目 下山コース

槍ヶ岳山荘から出発、飛騨沢コースで新穂高温泉か、槍沢コースで上高地か、いずれかの方面に下山します。

西鎌尾根コース[新穂高温泉発]

新穂高温泉を出発、双六小屋で一泊して西鎌尾根を経由、槍ヶ岳山頂を目指すコースです。槍の肩まで危険な箇所が少ないのが特徴。コースの各所に花畑があり登山者の心を和ませてくれます。
西鎌尾根コース出典:ヤマプラ
距離 コースタイム 標高差 日程 難易度
約35.5km 約19時間40分 約2090m 2泊3日 ★★★★
データ参考:ヤマプラ
*距離とコースタイムは、飛騨沢コースで新穂高温泉に下山した場合。

1日目 新穂高温泉〜双六小屋

双六小屋と鷲羽岳出典:PIXTA(双六小屋前の道、小屋の奥は鷲羽岳)
新穂高温泉のバス停から出発、蒲田川を渡って左俣林道に進みます。わさび平小屋を経て小池新道登山口へ。小池新道で秩父沢渡り、しばらく進むと穂高岳を映しこむことで有名な鏡池があります。ここから弓折岳分岐はあと1時間ほど。分岐を右に折れ広々とした稜線を進みます。双六小屋の手前は平坦地になっており小さな池とお花畑が広がっています。双六小屋に到着したら1日目は終了です。

2日目 双六小屋〜槍ヶ岳山頂

樅沢岳の登りから双六岳と双六山荘出典:PIXTA(樅沢岳の登りから振り返る双六岳と双六山荘)
双六小屋を出発。歩き始るとまもなく樅沢岳の緩やかな頂上に到着します。続く樅沢東峰は山頂の右側へトラバースします。
西鎌尾根より槍ヶ岳出典:PIXTA(西鎌尾根より槍ヶ岳)
広々とした稜線歩きが左俣乗越まで続きます。
西鎌尾根の岩場が目立つ登山道出典:PIXTA
登山道は次第に岩場が目立ってきます。何箇所かのクサリ場を超えて千丈沢乗越に着いたら分岐を左へ進みます。ここから槍の肩まで1kmほど、ガレ場やザレ場が増えてきますので、足元に注意しながら登りましょう。きつい傾斜を登りきると槍ヶ岳山荘に到着です。

3日目 下山コース

槍ヶ岳山荘から出発、飛騨沢コースで新穂高温泉か、槍沢コースで上高地か、いずれかの方面に下山します。

各登山口までのアクセス・山小屋情報はこちらをチェック


それぞれが個性豊かな登山コース

夏の槍ヶ岳出典:PIXTA
槍ヶ岳の代表的な4コースを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。さすがは日本有数の名峰だけあって、いずれも雄大で、美しく、変化に富んだコースばかりです。どのコースを選ぶか悩みますが、いずれも期待を裏切ることはないことでしょう。一度のみならず二度三度と登ってみたくなる山、それが槍ヶ岳なのです。

Yarigatake climbing is dynamic!

槍ヶ岳登山はダイナミック!

【登山時の注意点】
・北アルプスは本格的な山岳エリアですので、しっかりとした登山装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。
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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地 2017

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