【プロ直伝】自宅でできる!長持ちさせたい人のための登山道具手入れ法

山の中の厳しい環境から体を守ってくれる登山道具。家に帰った後、そのまま収納してしまっていませんか?きちんと手入れさえしておけば、機能性を維持したまま長い間使うことも可能なものばかりです。今回は登山靴とレインウェア、そしてシュラフ(寝袋)のメンテナンス方法について、プロの登山ガイドが解説します!


アイキャッチ画像撮影:山田祐士

山から帰ってきたら、疲れてそのまま仕舞ってない?

撮影:山田祐士

登山から帰り、登山道具は手入れをして、正しく保管しないと劣化が早くなってしまいます。そんなことにならないように、長く使える適切な手入れ・保管方法をご紹介します。

現役の山岳ガイドがお手入れ方法をご紹介

今回は少しでも道具を長持ちさせる為に、自宅でできる手入れ方法を紹介します。解説は私、プロの山岳ガイドでもある、山田祐士です。山岳ガイドという仕事柄、頻繁に山へ行っています。道具を酷使するので、手入れは欠かせません。一緒に手入れ方法を見ていきましょう。

①登山靴のメンテナンス方法

撮影:山田祐士

使用後の放置は絶対NG!

山を歩くとアウトソール(靴底)には泥や小石がつまり、アッパー(靴の表側)には細かい汚れが付着します。それらを取り除くことで、早期劣化を防ぐことができます。靴が汚れたまま放置すると、アウトソールの剥がれや、アッパー素材の性能を低下させる原因になります。靴は快適登山の要。適切な手入れ方法を紹介していきます。

登山靴の手入れ方法

撮影:山田祐士

①靴紐を取り外す➤洗濯機で洗う
②インソールを抜き出す➤ブラシと中性洗剤で水洗い
③アウトソールの水洗い➤歯ブラシなどを使って、泥や小石を取り除く
④アッパー部の洗浄➤靴用ブラシ等で汚れを落とす。頑固な汚れは水洗いする。その後日陰で乾燥させる。靴専用のクリーナーを使用しても可(説明書をよくお読みください)
⑤撥水スプレーを吹きかける
⑥最後に靴紐とインソールを戻す

登山靴保管方法

撮影:山田祐士

型崩れを防ぐ為に、靴紐は上まで結びあげ、風通しがよく、直射日光が当らない所で保管します。ビニル袋や購入時の箱には入れないようにしてください。また自動車内など高温になる所も避けてください。

②レインウェアの手入れ方法

撮影:山田祐士

汚れたらどんどん洗濯する

レインウェアを洗わずに使用していると、様々な汚れが生地の小さな穴に入り込み、撥水性が失われていきます。また、撥水性が失われると防水透湿性も十分に機能しなくなります。泥がついたり、長期山行に出かけた後などにはしっかり洗いましょう。

レインウェアの洗濯方法

撮影:山田祐士

①洗濯機で洗濯する
※脱水はしない:防水製品を脱水すると、生地が水を通さない為、洗濯機に大きな遠心力が加わり、故障の原因となります
②すすぎは通常の衣服より多く行う(レインウェアから完全に洗剤をすすぎ落とす必要があります。3回はすすぎをしましょう)
③ハンガーなどに吊り下げて乾燥させる
④アイロンがけをする:低温設定で、当て布を使います。アイロンがけをすると撥水性能が蘇ります(アイロンがけをすることで、生地の微細な繊維が毛羽立ち、撥水性が復活します)
※塩素系のハイターなどは、素材を傷めるので使用しないでください

撮影:山田祐士

レインウェアの保管方法

撮影:山田祐士

レインウェアも高温多湿・直射日光を避けて保管します。スタッフバッグに入れておかず、ハンガーにかけるなどして、風通しの良いクローゼットにかけておくのがベストです。湿気吸い取り製品をクローゼット内に据えておくと尚よしです。

③シュラフの手入れ方法

撮影:山田祐士

手入れをしないと…

シュラフを手入れしないと、皮脂などの汚れが中綿に染み込み、保温性が低下します。また、残った水分によりカビが発生することもあります。長期山行の後や、季節の変わり目に洗濯するようにしましょう。洗濯するとふわふわになり、保温性が格段に良くなります。

化繊シュラフの手入れ

撮影:山田祐士

洗濯機で洗います。中性洗剤を薄めに入れて、柔らかコースで洗って下さい。(製品によっては、ダウン製と同様な手順を必要とするものがあります。洗濯表示をご確認ください。)その後は陰干しをして終了です。

ダウンシュラフの手入れ

画像出典:Backcountry-banter

ダウン製の場合は、できるだけダウン用の洗剤を使用し、バスタブやタライにぬるま湯を入れて、手洗いをします。よーくすすいだら、ドライヤーボールと一緒に乾燥機で干します。ドライヤーボールがダウンをポンポンと叩いて、ダウンのふくらみを復活させてくれます。

シュラフの保管

撮影:山田祐士

シュラフは購入時のスタッフバッグには入れず、保管用のネットバッグに入れ、高温多湿・直射日光を避けて保管します。大きなネットバッグは山道具専門店で入手できますが、100円ショップで入手可能なこともあります。

適切な洗濯と保管で長持ち

撮影:山田祐士

山道具は適切に洗い、保管することで性能を高く保ち続けることができます。性能を最大限に発揮させるためには、手入れは欠かせません。どの道具にも言えることは、洗濯・乾燥・保管が重要なカギだという事です。洗濯は毎度行わなくても、適切な乾燥・保管方法で、寿命はかなり延びます。皆さんも是非今日から始めてみてください。

Proper maintenance extends your gear’s live !

適切な手入れはギアを長持ちさせてくれる!


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山田 祐士
山田 祐士

社団法人日本アルパインガイド協会認定 アスピラントガイド 1978年、北海道生まれ。 高校山岳部に入部してから現在まで、20年以上に渡って山登りを続けています。 大学に入ってからは、アルパインクライミングやフリークライミングに没頭していました。 冬の谷川岳や穂高が好きなフィールドです。 谷川一ノ倉沢や幽ノ沢、穂高のバリエーションルートのガイドが最も得意です。 また、海外登山も好きで、マッターホルンなどの登頂経験もあります。 趣味は山で淹れる珈琲です。 皆さまに最新の登山情報をお送りするべく、日々勉強をしています。

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